2025.11.05
加工性と腐食割れを改善したA7000系合金とは
アルミニウム合金や鋼材を選定する際、こんなジレンマに陥っていませんか?
この悩みを改善したのが、UACJが開発した金型・治工具材向けの高強度アルミ合金アルクイン300(ALQUEEN 300)です。
この素材は、「強さ」と「軽さ・加工性」を両立させた、A7000系高強度アルミ合金です。
本コラムでは、アルクイン300の性能を解説し、さらに萬世興業から購買することで得られる具体的なメリットを提案いたします。
【重要:規格に関する注意点】
アルクイン300は、UACJが製造するメーカー規格品であり、JIS規格品ではありません。
JIS規格や航空機向けAMS規格などでA7075が指定されている用途には代用できません。あくまで高性能な代替提案として、その優位性をご検討ください。
1.アルクイン300の性能優位性:A7075とS55Cのギャップを埋める
アルクイン300は、A7075が持つ課題を克服し、高強度アルミの新しい標準を確立します。
機械構造用炭素鋼S55Cに相当する最高峰の強度を達成しながら、重量は鋼材の約1/3です。
これにより、強度を犠牲にせず、装置の軽量化と高速駆動が可能です。これは、強度と重量のトレードオフにおける最適解の一つと言えます。
高強度材でありながら、切削加工時間は鋼材や他素材と比較して約3〜50倍のスピードを実現します。
加えて熱伝導性は鋼材の2〜3倍。金型用途ではショットサイクルの短縮、機械構造部品では放熱性の改善に貢献し、トータルでの生産効率を劇的に高めます。
A7075などの7000系高強度アルミの最大の懸念点である応力腐食割れ性(SCC)を改善しています。
これにより、特定の腐食環境下における部品の長寿命化と信頼性向上に直結します。
萬世興業は、アルクイン300の高性能を最大限に活かすための「調達力」と「提案力」を提供します。
萬世興業では、アルクイン300の板材(6t〜350t)と丸棒(φ8.4〜φ300)を豊富に在庫しています。
これにより、厚板や大口径材の納期リスクを回避し、お客様のタイトな生産スケジュールに貢献する即納体制を構築しています。
単なる材料販売ではなく、アルミニウム専門商社として長年培ったノウハウに基づき、お客様の用途や図面を拝見した上で、切板だけではなくアルクイン300をフライス加工やマシニング加工、アルマイト処理まで一貫して要求に応えるように努めます。
アルクイン300の最大のコストメリットは、材料単価だけではなく、超高速加工による工数削減にあります。
萬世興業は、トータルコストダウンの視点で、最適な材料提案と見積もりを提供します。
3.アルミ合金を使用する場合 2つの設計上の留意点
アルクイン300の採用をご検討いただく上で、以下のアルミ合金共通の特性と限界点にご留意ください。
アルミ合金は加熱温度が150℃を超えた場合に、強度が著しく低下します。100℃を超える環境下での連続使用は、鋼材とは異なる設計上の注意が必要です。
アルクイン300は鋼材と比較して約3倍の熱伝導性を持ちます。メリットを生かした設計(冷却効率向上)と、デメリットを回避する設計(熱影響を考慮した設計)の双方が求められます。
アルクイン300の性能を、より具体的に他素材と比較したい方へ。こちらのコラムもご参照ください。
アルクイン300とA7075(超々ジュラルミン)の強度・加工性・応力腐食割れ性について、4つの視点から徹底比較しています。A7075からの代替を検討している方は必見です。
アルクイン300への切り替えは国内生産かつ、弊社の豊富な在庫量で供給面においても安心していただけます。
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