豆知識 - A2017とアルクイン300の特徴や違いとは? 【A2017の「反り・腐食ストレス」解消!】A2017超えの強度と低歪みを実現!高強度アルミ「アルクイン300」選定ガイド

2025.11.04

A2017とアルクイン300の特徴や違いとは? 【A2017の「反り・腐食ストレス」解消!】A2017超えの強度と低歪みを実現!高強度アルミ「アルクイン300」選定ガイド

A2017は反りやすり?

A2017(ジュラルミン)は、その優れた切削性と強度で広く使われますが、悩ませるのが「切削時の反り歪み」、「耐食性の低さ」、そして「S55C相当の強度が欲しい場合の性能ギャップ」ではないでしょうか。

本コラムでは、A2017の持つ課題を解決することにも採用されている、S55C相当の超高強度アルミ合金「アルクイン300」(UACJ製)をご紹介します。

低歪み、腐食性の改善、そして加工性の良さを両立する、アルクイン300を比較しながら解説していきます。

1. A2017の最大の課題:切削後の「反り歪み」と「腐食のストレス」

 

A2017は、高い強度を持つ反面、切削時に残留応力(内部のひずみ)が解放されやすく、特に精密加工や薄肉加工で「反り歪み」が発生しやすいという構造的課題を抱えています。

これが、加工後の修正コストや不良率を上げる原因となります。

 

A2017は「修正作業の発生源」?

加工精度を出すための修正・手直し作業、そして防食処理の手間は、A2017を扱う上での大きなボトルネックです。

アルクイン300は、この「加工歪み」と「腐食ストレス」の二つの課題を解決します。

 


2. A2017とアルクイン300の基本性能比較(一目でわかる性能差)

両材質の基本的な違いを以下の比較表でご確認ください。

 

項目 A2017(ジュラルミン) アルクイン300(UACJ製品) 選定のポイント
強度 高強度(★★★☆☆) 最高強度(★★★★☆)
S55C相当
S55C級の強度が必要ならアルクイン300
切削歪み 発生しやすい(修正作業が発生) 低歪み性(残留応力が低い) 精密部品や治具の加工に最適
耐食性 低い(表面処理必須) 改善(優位点) 防食の手間とコストを削減
加工スピード 良好(標準的) 非常に良好(S55C比3〜50倍速)  納期短縮を重視

3. アルクイン300がA2017より優位な4つのポイント

 

アルクイン300は、A2017のメリットを継承しつつ、弱点を徹底的に克服した素材です。

① 精密加工に最適!低歪み性と安定性

アルクイン300は、独自の製造工程により残留応力を極めて低く抑えています。

これにより、切削時の反りや歪みが大幅に抑制され、高精度な治具や金型を加工後の修正なしに安定して製造できます。

 

② S55Cに肉薄する強度(剛性向上と軽量化の両立)

A2017では難しかったS55C相当の強度を達成。

強度を上げながらも重量は鋼材の約1/3です。これは、「鉄の強さ」と「アルミの軽さ」を一つにしたような性能と言えます。

 

③ 腐食によるストレスからの解放

A2017最大の懸念点である耐食性を大幅に改善しています。

複雑な表面処理や、腐食による部品交換リスクを低減し、金型や治具のメンテナンス工数を削減。

※ただしアルクイン300もA7000系の合金のため環境下によってはアルマイト処理をおすすめしております。

 

④ 切削性が良好により納期短縮

アルクイン300の優れた加工性は、切削加工時間がS55Cと比較して約3~50倍のスピードを実現します。これは、加工に大げさではあるもののタイムマシンを導入したような効率化を意味します。

 


4. ✅ 【結論】最適な選定チェックリストと用途

A2017とアルクイン300、どちらを選ぶべきか、用途別にご判断ください。

 

A2017が最適となる場合 アルクイン300が最適となる場合

・ 強度がS55C相当まで求められない、材料単価優先。
・ 腐食環境に晒されない(またはアルマイト処理前提)
・ 低精度で良い、小型の機械加工部品

・ S55C級の強度が必要
・ 切削歪みによる手戻りを少なくしたい
・ 加工時間短縮を最優先したい
精密治具、金型、工作機械部品

 

5. アルミ合金を使用する場合の2つの注意点

 

アルクイン300も下記に該当します。アルミ合金全般の特性として、以下の点にご注意ください。

① 耐熱性による強度低下

 

アルミ合金は加熱温度が150℃を超えた場合に、強度が著しく低下します。100℃を超える環境下での使用は注意が必要です。

② 鋼材との熱伝導性の違い

 

アルクイン300は鋼材と比較して約3倍の熱伝導性を持ちます。金型や部品の冷却効率が向上するメリットがある一方、温度管理が必要な用途では熱の影響を考慮した設計が必要です。

 


 

6. お問い合わせ:アルクイン300で解決できるかも?

 

材質選定は、設計・加工・コストに大きく影響します。

アルクイン300への切り替えをご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。

萬世興業では、「ちょっと聞くだけ」「ざっくりとした相談」も大歓迎です。

 

よくあるご質問(FAQ)

 

質問(Q) 回答(A)
Q1. A2017からアルクイン300への切り替えで、最も大きなメリットは? 主なメリットは、S55C相当への強度アップと耐食性の劇的な改善、そして加工後の反り歪みの抑制です。部品の長寿命化とメンテナンスコストの削減に貢献します。
Q2. アルクイン300に切り替える際、設計上の注意点はありますか? アルクイン300は熱伝導率が鋼材の約3倍と高いため、特に金型用途では冷却効率が向上します。
Q3. アルクイン300はA2017より低コスト? 正直にお伝えすると材質単価はA2017のほうが安価です。ただA2017より反り歪みはアルクイン300にほうがしづらいと評価をいただいており、不良による再手配・加工のリスク低減ができる可能性があります。

 

\A2017もアルクイン300も/ お気軽にお問い合わせください!

A2017とアルクイン300の特徴や違いとは?について特集しましたが、いかがでしたでしょうか。

なんと・・・弊社ではA2017もアルクイン300もどちらも豊富に在庫しております!

 

どちらの材質でも弊社であれば即納・単価相談に喜んで対応させていただきます。

もちろん、切断・フライス加工、切削加工などお任せくださいませ。

 

以下のリンクから、ぜひお気軽にご相談ください。

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